例1 残りカードが全て8である場合

 

プレーヤーは82枚配られた段階で、スタンドする。ディーラーにも82枚配られ、16となるがルールによってディーラーはヒットしなければならない。結果として、ディーラーには83枚配られバーストするので、プレーヤーは必ず勝つことになる。この場合には必ず勝つので賭け金を出来るだけ大きくすることが最適となる。また、(説明のためスプリットが許されないルールであるとすると、)戦術上は基本戦略とは異なり、2枚の8をヒットせずにスタンドすることが最適な戦略となる。


2 残りカードが全て6である場合

ディーラーは、ルールによって、必ず63枚の18となる。従って、プレーヤーは2枚の6に対してスタンドをすると、必ず負けてしまう。そこで基本戦略とは異なりヒットをする。結果的に、プレーヤーもディーラーも18となるので、必ず引き分けとなる。従って、この状況はプレーヤーにもディーラーにも有利ではない。但し、負けないためにはプレーヤーが12をヒットすることが戦略上必須となる。また、プレイヤーに勝ち目のない非常に不利な状況であるため、一旦席を立つという選択も有効である。


上記の2例のような非常に単純な状況であれば、プレーヤーが有利かどうかの判断、最適戦術の判断を即座に判断出来る。しかし、より一般的な状況においては、まず配られたカードを全て記憶することは非常に難しい。また仮に、残りのカード状況を完璧に把握していたとしても、プレーヤーが有利かどうか、どのような戦略を取るべきかを計算するためには、考えられる全ての場合について確率を数え上げる必要が出てくるので、これを人間の頭で計算することは不可能である(なお、映画レインマン等の一般向けの描写では、抜群の記憶力があり残りカードを全て記憶出来れば、ディーラーに対して有利にプレー出来ると解説されることが多いが、残りカードを記憶することよりも、残りカードに基づき確率計算を行うことの方がはるかに難しい)。

応用戦略

 

基本戦略は、デッキが全て残っていることを前提としたものである。しかし、ブラックジャックにおいては、シャッフルの頻度を少なくするために、配り終わったカードは元に戻さずにディスカードトレーと呼ばれるトレーにそのまま置いておく。通常、シューと呼ばれる複数セット(デッキ)の塊を用い、この手順によって複数回のゲームをシャッフルなしで進行する。従って、一つのシューにおけるゲームのある時点で残っているカードにはばらつきが生じる。情報理論的表現をすれば、シューは記憶のある情報源である。従って、残りカードの組み合わせによって、プレーヤーが有利になっている状態が生じる。ここが、無記憶情報源であるサイコロを用いたクラップスやルーレット等のカジノゲームとの大きな相違点である。


残りデッキに、10点やAのカードが多く残っている場合にはプレイヤー有利、4,5,6等のカードが多く残っている場合にはディーラー有利になることが多いことがシミュレーション及び理論解析によって確かめられている。また、基礎戦略とは異なるプレーが最適となるケースが出てくる。説明のため、非常に人工的な2つの状況を述べる。

基本戦略

 

ほとんどのカジノのゲームは、長いスパンでは、カジノ側がプレイヤーよりも統計的に有利に出来ている。しかし、ブラックジャックはプレイヤー側の選択の幅が大きく、「基本戦略(Basic Strategy)」として知られる統計学的に最適な行動をとることによりカジノの優位をおおいに縮小することが出来る。細かいルールの相違にもよるが、基本戦略に従った場合、カジノの控除率は0.0%0.6%程度である。なお、ごく稀ではあるが、「基本戦略」のみでプレーした場合にも、プレーヤー側が有利となるゲームが提供された例もある。


以下の戦略表はプレイヤーの手(ハンド)およびディーラーの表向きのカード(フェイスアップカード)に基づいて、プレイヤの最適な行動を決定するものである。ただし、カジノのルールや使用するデッキの数などにより影響を受けるため、すべての場合で最適なわけではない。また、この基本戦略の期待値は他のカード(現在ゲームに使われていない状態のカード)がすべて山に残っていることが前提であり、例えばエースがすべて見えてしまっている状態で、10点の手をダブルダウンすることは好ましくない。


プレイの目安

 

以下の項目は実際にブラックジャックを行う上での簡単な指針である。これらの事項を守ることで、カジノの控除率を2%以下にすることが出来る。但し、この目安は常にシャッフルされた直後の新しいデッキを使用していることを前提に設定されており、更に高度な戦略を用いることで控除率を0%未満にすることも可能である。


ハード17点以上あれば常にスタンドする。11点以下では必ずヒットまたはダブルダウンする(但し、11点以下では強制的にヒットさせられるハウスもある)。

ディーラーがバストする確率は、平均 3回に1回である。特に、見えているカードが36の場合はさらに高確率でバストすることが期待できるので、16点以下の低い点数でもスタンドする。

反対に、ディーラーがA7以上のカードの場合は、バストせず高い点数になることが予想されるので、積極的にヒットして対抗する。

A8のペアの時にはスプリットすると良い。Aは高得点が期待できる。また、8のペアは合計で16と点数的に良くないので、スプリットすることにより現状よりましな点数を期待する。

スプリットには倍のベットが必要とされるので、不利なときにスプリットするのは良くない選択である。また、いくら有利でも10点のペアをスプリットしてはならない。

ダブルダウンは、自分の点数が良くディーラーの点数が良くない場合、具体的には、合計が11点でディーラーのアップカードがAでない時と、合計が10点でディーラーがAでも10でもない場合に行う。

インシュアランスは行わない。


家庭用ゲーム機ソフト内でのルール

 

家庭用ゲーム機のゲームソフトにおいて登場するブラックジャックの場合、一般と異なるルールを用いる場合がある。


Wi-Fi対応世界のだれでもアソビ大全 (任天堂/ニンテンドーDS/2007)

だれでもアソビ大全 (任天堂/ニンテンドーDS/2005)

お互いがバストした場合は引き分けになる為、プレイヤー側にやや有利なルールとなっている。


プレイヤーがバスト(作中では、バーストと表記)しても、ディーラーもバストした場合は、引き分けになる。

ナチュラル21(作中では、ブラックジャックと表記)とされるのは、絵札(JQKのいずれか)Aの組み合わせの場合のみである。従って、10Aの組み合わせは、単なる21と同じ扱いになる。

オプション設定で、ダブルダウンが使えるルールを選択できるが、スプリット・サレンダー・インシュアランスは使えない。

スーパーマリオRPG (任天堂/スーパーファミコン/1996)

このゲームでは、作中に登場する架空の通貨「カエルコイン」をチップにする。掛け金の額は、カエルコイン1枚で固定。作中でもトランプを使用しているとみられるが、画面には点数しか表示されない。


引き分けても、実質的には負けと同じであるので、プレイヤー側にはかなり不利なルールとなる。また、作中でのブラックジャックのルールの説明も簡略なものであり、ブラックジャック初心者には不親切な内容である。


プレイヤーが負けた場合はもちろん、引き分けの場合も掛け金は没収される。また、プレイヤーがナチュラル21を出した場合も、特典はない。従って、ディーラーが21を出すと、プレイヤーはディーラーに勝つ事が出来ない。

ダブルダウン・スプリット・サレンダー・インシュアランスは使えない。


サレンダー (Surrender)

 

プレイヤーの手が悪く、勝ち目がないと判断した場合に賭け金の半額を放棄してプレイを降りること。ディーラーがナチュラル21をチェックする前にサレンダーが可能なルール(アーリーサレンダー)と、ナチュラル21ではない場合のみ可能なルール(レイトサレンダー)に大別される。アーリーサレンダーを採用するルールは稀である。


インシュアランス (Insurance)

ディーラーの表向きのカードがAのときには、最初のベットの半額を追加することにより、保険をかけることができる。ディーラーがナチュラル21であった場合には保険として掛けた額の2倍の保険金が払い戻され、そうでない場合は保険の掛け金は没収される。例えばプレイヤーが最初に$10を賭けており、プレイヤーのカードは810、ディーラーの表向きのカードがAであったとする。ここでプレイヤーがインシュアランスを選択した場合、$5を保険の掛け金として追加する。逆にインシュアランスを選択しない場合には追加の掛け金は発生しない。


全てのプレイヤーのインシュアランスの意思を確認した後、ディーラーはプレイヤーには見えないようにしてディーラーの裏向きのカードの数字を調べる。ディーラーの裏向きのカードが例えば10の場合にはナチュラル21となる。この時、裏向きだったカードは表向きにされ、プレイヤーの最初の掛け金である$10は没収されるが、インシュアランスの保険金として$10が払い戻され、保険の掛け金$5もプレイヤーに戻る。この場合、プレイヤーの損得は±0である。


一方、ディーラーの裏向きのカードが例えば3であり、ナチュラル21ではなかった場合には保険の掛け金である$5は没収され、ディーラーの裏向きのカードは裏返されたままの状態で引き続き通常通りのプレイ(ホールドやヒットの選択)が行われる。このインシュアランスはプレイヤーにとってあまり得なオプションではないが、多くのカジノでこのオプションは提示される。プレイヤーがナチュラル21の場合は、プレイヤーがインシュアランスを宣言すると同時に最初のベットと同額が配当される(イーブンマネー)。


これは、インシュアランスが成功(掛け金に対して引き分けで0倍、保険料に対して2倍で合計して掛け金の1倍の配当)しても失敗(掛け金に対してナチュラルにより1.5倍の配当、保険料は没収で合計して掛け金の1倍の配当)してもトータルの配当は変わらないためである。ディーラーの表向きのカードが10JQKのいずれかであればディーラーがナチュラル21である可能性はあるが、この場合にはインシュアランスはできない。

スプリット (Pair splitting)

 

配られた2枚のカードが同じ数字の場合、初めのベットと同額のコインを追加することで、それを2つに分けてプレイすることができる。10と数えられるカード (10,J,Q,K) は全てペアと見なすことが出来るカジノもある。また、ほとんどのカジノでは A のペアのスプリットでは、それぞれ1枚しか引くことができない。スプリット後にさらに同じ数字が配られた場合に、重ねてスプリットが可能なルールもある。


ダブルダウン (Doubling down)

プレイヤーは最初の2枚のカードを見てからベットを2倍にしてもう1枚だけカードを引くことが出来る。さらに追加して引くことはできない。多くのカジノでは最初の数がいくつでもダブルダウンすることが出来るが、カジノによってはカードの合計が11,10(又は11,10,9)の場合にのみダブルダウンできるルールを採用している所もある。また、スプリット後のダブルダウンが可能かどうかも、カジノごとに差異がある。なお、ディーラーがナチュラル21となっているかの確認をプレーヤーのアクションの後に行うカジノにおいては、結果的にディーラーがナチュラル21であった場合に、スプリットやダブルダウンによって賭け増したベット分をプレーヤーの負けとするか、無勝負として元返しとするかについてはカジノごとに細かなルールの相違がある。


ブラックジャックの特別ルール

 

次のステップでは、プレイヤーはヒット(hit;カードをもう1枚引く)またはスタンド(stand;カードを引かずにその時点のポイントで勝負する)の選択を行う。ルールによっては、ヒットとスタンド以外にも追加のルールを採用しているところもある。プレイヤーは21を超えなければ何回でもヒットすることができる。21を超えてしまうことをバスト(bust)と呼び、直ちにプレイヤーの負けとなる。プレイヤーが全員スタンドするとディーラーは自分のホールカードを開く。ディーラーは追加のカードを引く場合もあれば引かない場合もある。これはディーラーの意志で決めるのではなくカードの合計数で自動的に決定される。ディーラーは、自分の手が17以上になるまでカードを引かなければならず、17以上になったら、その後は追加のカードを引くことはできない。ディーラーが21を超えた場合には21を超えていないプレイヤーは全員勝利する。プレイヤーとディーラーが同じポイントの場合にはプッシュとなる。A6の組み合わせ(ソフト17)の場合、ディーラーがヒットするかスタンドするかは、カジノによって異なっている。


特別ルール

カジノによってはヒットとスタンド以外の選択肢が用意されている場合がある。代表的なものを以下に示す。

ブラックジャックのルール

 

カジノで行われるブラックジャックでは、プレイヤーはプレイヤー同士ではなくディーラー(親、胴元、ハウス)との間で11の勝負を行う。プレイヤーが何人かいる場合には、ディーラーは複数のプレイヤーと同時に勝負をすることになる。各プレイヤーの目標は、21を超えないように手持ちのカードのポイントの合計を21に近づけ、その数字がディーラーより21に近づくことである。手の中のカードのポイントは、カード210ではその数字通りの値であり、また、絵札であるK(キング)、Q(クイーン)、J(ジャック)は10と数える。A(エース)は、手持ちのカードの合計が21を超えない範囲で11と数え、超える場合は1として数える。なお、A11と数えても21を超えない手持ちカードの組み合わせのことを、ソフトハンドと呼ぶ。


各プレイヤーが初めの賭け(ベット)を終えると、ディーラーはカードを自分自身を含めた参加者全員に2枚ずつ配る。ディーラーの2枚のカードのうちの1枚は表向きにされ、みなが見ることができる。もう1枚のカードは伏せられている(ホールカードと呼ぶ;ヨーロッパやオーストラリアなどでは、ノーホールカードと呼ばれるルールが一般的であり、プレイヤーの行動が全て終わった時点ではじめてディーラーの2枚目のカードが表向きで配られる)。プレイヤーのカードはカジノによってフェイスアップ(表向き)の場合とフェイスダウン(裏向き)の場合があるが、現在主流になっている6デッキ以上を利用するルールにおいてはフェイスアップで配られることが通例である。この時点で、プレイヤーが211枚は10JQKのうちのどれかで、もう1枚はAという組み合わせの場合のみ可能)であれば「ナチュラル21」又は「ナチュラルブラックジャック」と呼ばれ、ディーラーが21でなかった場合には、ベットの1.5倍の払い出しを受ける。プレイヤーもディーラーもナチュラル21の場合には引き分け(プッシュ)となる。プレイヤーが21ではなくディーラーがナチュラル21の場合にはこの時点で自動的にプレイヤーの負けとなる。


あなただけに教える!ブラックジャック必勝法!

 

ブラックジャックには非常に有名な必勝法が存在します。それが『カードカウンティング』です。ゲーム開始時点を0とし、絵柄札と10とAが配られたら−1、7・8・9は±0、2から6の札が配られたら+1と数えていくことでプレイヤーに有利な状況を読み取るという一種の記憶術を用いた戦略です。プレイヤーに有利な状況とは、総計が+の場合です。


これは、絵柄札が多くなれば多くなるほどブラックジャックが成立する可能性が高くなる上に、17を超えるまでディーラーはカードを引かなければならないというルール上ディーラーがバーストする可能性もまた上がることになるからです。


……しかし現在のカジノではカードカウンティング対策として、こまめに残ったカードをシャッフルすることになっているためカードカウンティングが絶対のブラックジャック必勝法として機能することは少なくなっています。それに、カードカウンティングには実行者にかなりの記憶力を要求するため実践者もそう多く居るわけではないようです。


ブラックジャックは、トランプを利用したゲームの一つである。世界のほとんどのカジノで人気が高い。カードの合計点数が21点を超えることなく、できるだけ高い点数を得ることを競う。バカラやおいちょカブと似たスタイルのカジノゲームの一種。